puhopuho’s diary

主に読書管理として。

仕事と(結婚と)家族(と会社)

 

 第一章 日本は今どこにいるか?

第二章 なぜ出生率は低下したのか?

第三章 女性の社会進出と「日本的な働き方」

第四章 お手本になる国はあるのか?

第五章 家族と格差のやっかいな関係

終章 社会的分断を超えて

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ついこないだ非常勤先の看護学校で「結婚と仕事」「会社と家族」というテーマで講義したこともあって、ドンピシャの本。講義する前に読みたかったなぁ。

 

ただ、本当は順序が逆なのだ。

 

大学院のオムニバス講義で筒井先生がゲストで何回か授業してくれたことが2、3年ほど前にあったため、「そーいう関心」が自分の中でなんとなく残っていて、授業のネタに使ったら、直後のタイミングで先生も本を出されていた、それだけのことだ。

 

本を出す前にもシノドスなどの連載で同傾向のことは話されていたわけだし。

もう少し自分でも整理したかたちでしゃべれたらなぁ、とは思っていたのだけれど、それは来年度以降の課題になってしまった。

 

イロイロ面白いことは書いてあったのだけれど、保育サービスの充実に関しては、例えば盛山先生なんかが書いていたことよりはもう少し慎重な立場のようだ。

国家全体の経済成長という観点を重視する立場からは保育サービスの充実は(世間で評論家や経済学者がいうよりは)全然オッケー、むしろ望ましい戦略、というのが盛山先生の立場だったと思うのだが、筒井先生はやはりギデンズの親密性の議論から展開しているからか、もう少しミクロなレベルでも社会的分断の危険性を捉えている。。。ように読めた(ここでブルデューの「性向」概念が出てくるのも興味深い)。

 

まぁそもそも専門外も専門外、だけれども最近やっと興味が出てきた分野でもあるので、もうちょっとしっかり勉強したい。

 

例えば、「職能資格給」制度に関してなんかは、実は結構もともとの自分の研究関心にカスっているんじゃないかと考えている。

 

去年浅野先生に来てもらったとき話題に出た、変動的キャリア論なんかとも併せて、新書レベルからいったん離れて勉強することになるかも。例によって独学だろうが、、、、

 

 

 

少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ (岩波新書)

少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ (岩波新書)

 

 

 

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)

 

 

 

労働――働くことの自由と制度 (自由への問い 第6巻)

労働――働くことの自由と制度 (自由への問い 第6巻)

 

 

 

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

 

 

 

・・・・そういえば、大学院にはいったばかりの一年目でゼミ購読したのは、アレントの『人間の条件』だった。あれから随分とアレント論も新しいのが出てきたので、こちらを読み返すいい機会でもあるかもしれない。「悪の凡庸さ」も一度精読する必要があるしね。

 

 

人間の条件 (ちくま学芸文庫)

人間の条件 (ちくま学芸文庫)

 

 

 

イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

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全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

 

 

 

ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義