原恵一作品を観る①~声のお芝居~
江戸を駆け巡る“爽快”浮世エンターテインメント!原 恵一監督作『百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI ...
まぁ、見に行ったんですね。この前の土曜日。後輩と。
そんで見に行く前にテンション高めようってことで、それまで観てなかった『河童のクゥと夏休み』と『はじまりのみち』も併せて見たのね。
効果はテキメンで、暑苦しい部屋で見るのと、映画館で観るのとは大違いだから、なんだか単館系のちっこいところだったけど、「うわ、今から始まるぞ」っていうウキウキ感を味わうことができた。
そんでもって今日、さらに『カラフル』も観たので、原恵一監督の作品は結構見たことになる。
なので、雑感などを。
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さて原恵一といえば最近、声優をめぐってニュースで騒がれ、はた迷惑な憶測に巻き込まれていた。
エコーニュースR – 「アニメ声優の演技は気持ち悪いと言ったせいで、根に持たれている」・・『百日紅』、原恵一監督記者会見
確かにクレしん系の声優は毎回おなじみに脇を固めているとは言え、メインは子役や女優がつとめる事が多いのは事実だ。
それが成功している作品もあれば、あんまりピンとこないのもあったのが正直な感想。
まず、成功していると思ったのは『クゥ』と『百日紅』の主役のキャスティング。特に『百日紅』のお栄役の女優・杏の声は映画が始まる第一声で、正直震えた。劇場で見たというのもあるけど、なんて腹の据わった、堂々とした女性の声なのだろうかと、それだけもう既に「映画を見に来ている」態勢に完全に入っていた自分はやられてしまった。
『クゥ』の場合も、決して最初は違和感がなかったわけではないのだが、話が進むにつれてどんどん気にならなくなっていった。
逆にどうも違和感があるなー、と思ったのは『カラフル』の主人公・真の声。中学三年生にしては幼すぎる声というのもあったが、背の低さやキャラデザもそういう方向で作られているのは理解できた。ただ、どうも違和感は作中の終盤まで残り続けた。
別に違和感自体が作品にとって悪いことばかりではない。『カラフル』では、『はじまりのみち』における濱田岳が演じた便利屋的な立場である、天使(?)プラプラの声も違和感バリバリだった。ただ彼はそもそもストーリー上ひとりだけ違う世界観を持った人物だし、もともと原作小説の台詞もわざと違和感があるように書かれていた節がある。これはこれで問題ないと思った。
それから『カラフル』は女性陣の演技が素晴らしく、佐野唱子役の宮崎あおい、桑原ひろか役の南明奈、真の母親役の麻生久美子、どのキャラクターの演技もとても印象に残っている。(だからこそ主人公の真の声はもう少し演技ができたのではないかと思うのだが。。。。)
どちらにしても、声優だからダメ、俳優女優だからダメ、とかいった単純なお話なのではないことはもちろん、それぞれの作品の中にも振れ幅はあるのだ。とりあへずニュース記事を書いた人も、あとで調べてみたら、とか不真面目な態度で書くのではなく、まずはそれぞれの作品を観てから意見して欲しいと思うわけである。